例えば小学校の下校どき。
夕立が降ると、児童らは下駄箱の近くでキャーキャー騒いだ。
わざと濡れる子は大勢いる。もちろん私もその一人だった。
興奮した様子で空に手をかざして変な呪文を叫ぐ子も、
雷の音に脅え、涙ぐみながら友達と抱き合っている子も、
一様に、非日常的な出来事に高揚していたんだと思う。
あるいは、小学校の夏休みのプールから帰るとき。
炎天下を帰る児童にとって、夕方の土砂降りは天の恵み。
雨宿りすることなど毛頭考えず、
友達と一緒に騒ぎながら、そのまま濡れて帰ったなぁ。
家に帰れば母親がお風呂を用意していてくれたっけ。
ブログを書いている今、
冷房が効いた研究室で一日中を過ごしている。
今住んでいる地域では、夏特有の豪雨はほとんど降らない。
降ったとしても、「めんどくさいなぁ」ぐらいにしか思わない。
それでも、冷えた教室で聞く虫たちの声や
学食に行こうと外に出た時のむわっとした熱い空気、
そういった人工物と自然物の歪みから、
思い出の中の夏と違う、別の「夏」を感じる。
例えば20年後の私は、今を懐かしく思うのだろうなぁ。